《算数》 前半(50分)

ビンゴやすごろく、数当てゲーム、パズルなど楽しく取り組める題材を通じて、算数に慣れ親しんでもらうことを最大の目的としています。

図形に関しては、与えられた図形に数字を書きこんで「パターンでできる問題」をいくつも解いていくようなことはしません。

まずは自らが図形を描く。また、試行錯誤しながら線を引き、長方形や円を等しい形に分けるなどの問題に取り組んでいきます。そうやって実際に手を動かすことで、はじめて「図形」というものを認識できるようになります。

また、なかなか認識しにくい「立体」についても、実際に手を動かして立方体の積み木を用いて立体をつくってみたり、そのできあがった立体を四方八方から観察することで「立体の感覚」を養っていきます。

文章問題においては、単純に「式で表す問題」から「表や図を利用して解く問題」、「答えが複数ある問題」など様々な問題に触れてもらうことで、いろいろな「ものの見方や考え方」を学びます。

もちろん算数では、「計算力」も大切な要素です。「たし算、ひき算」から「かけ算、わり算」まで年間を通じて継続して練習することで、計算の正確さを上げていきます。

このように「考える力」をつけつつ、「計算力」も伸ばし、「算数の土台」をつくっていきます。

難関校とよばれる中学校では「パターンで解く問題」ではなく、パズル的な問題のように「与えられた条件」をしっかりとらえて、色々と書き出して「試行錯誤」しながら解いていく問題が多く出題されます。そのような問題に果敢にチャレンジするような生徒に育って欲しいので、必然「直前に教わったパターン」を反復するような授業ではなく、その場その場で臨機応変に問題に挑んでいくような授業を展開していきます。

また、3年生の学習内容の範囲内で入試問題にも挑戦してもらいます。ねばり強く格闘した末、問題が解けたときの達成感は特別なものになります。この「特別な体験」を算数を通してたくさん経験させてあげたいのです。そして、「算数」を好きになって欲しい……。カリキュラムに余裕がある3年生だからこそ、そこに一番の重きを置いてやれるのだと思います。

様々な「新しいこと」との出会い。ときには悩むこともあるでしょう。また、ときには家に帰り自慢げに話すこともあるでしょう。その1つ1つが子供たちの「財産」になっていくのだと考えています。

《算数》 後半(20分)

後半の時間では、「宮本算数教室の教材」の「賢くなるパズル」を使用しています。この教材は、パズル的な問題どころか、パズルそのものであるため、子供たちは「勉強しているという意識」をそれほど強く持つことなく取り組めると思われます。しかしながら、このパズルを解くためには……

  • この条件に合うものを見つけるための思考力
  • 解いているパズルに応じた計算力
  • 自分で手を動かして試行錯誤する姿
  • 本当に合っているかどうか確かめる慎重さ
  • うまく正確にたどり着けなくても諦めない粘り強さ
  • ひとつのパズルを完成させるための集中力

というようなことが要求されます。子供たち自身はパズルを解いているときにそのようなことを意識しながら進めているわけではないと思いますが、知らず知らずのうちにこちらの力が身についていくのです。

受験という大きな目標を見据えたとき、これらの要素はどれも欠かせないものであると言えます。3年生のうちに、そのベースとなる力をパズルを通じて養っていくことを目的としています。

全ての根幹である「国語」 やみくもに実践形式の演習はしない。

昨今の入試問題は「ただ知識をつめこんで確認するという問題」は減ってきています。一般に難関校といわれる学校であればあるほど、その傾向が強くなっています。また、最近人気の「公立中高一貫校」などもその傾向が強い入試問題です。

知識色が強いと思われがちな社会や理科でも、様々な知識や経験をもとに自分で考えて記述する、文章や図やグラフから考察して記述する等の問題が増えています。そして、そのような問題こそが合否を決める問題となっています。

ただ、小学生は、ホントにこの手の「読み取り」が苦手なんです! そもそも小学生というのは「いいかげん」です! 文章読まない、条件読まない、設問要求に答えない……。今、この文章を書いていて改めて思い出し、イヤになってきます!でも、だからこそ「そこが差になる」のでしょう。

この「文章や表などからわかる」ように作られている問題に対して、塾として「文章などから読み取る力」をどこで培うのか?やはり、それは「国語の時間」を使うしかありません。

そこで私たちは「読み取り問題」として「文章」から情報を取り出して、図や表を作ったり、計算したりして設問を解くような教材を使います。文章はオリジナルで作ります。たいていは、「先生方が登場してドタバタする」内容なのですが、このような文章で「読み取り」に取り組むことが意味あるのです。「語彙」や「テーマ理解」が「読み取り」の壁になってしまっては効果が薄れてしまいます。

特色

「情報の読み取り→作業」の鍛錬を目指すため、
「語彙・テーマ理解」が「読み取り」の障害にならぬように「オリジナルの文章」で問題を作成する
「国語」となると、もう少し事態は複雑になってきます。前述した通り、「語彙」や「テーマ理解」が必要になってきます。さらには文学的文章ならば「理解のための擬似体験」も必要ですし、「言外のふくみ」も読み取らなくてはなりません。
参考までに、よく言われる「文章が読めない」理由についてあげてみましょう。

【参考】 なぜ国語が苦手なのか? (読み編)

  1. 語彙の不足。
  2. 日本語の文法、文の構造を無視する。
  3. 「文字の連続=文面」から意味を抽出できない。
  4. 抽出する際に必要となる「語彙」の不足。→「言葉」を知らなければ「認識」はできないのです。
  5. 主観=客観と勘違いしている。
  6. 文学的文章でイメージ化するための起点の不足。
  7. 説明的文章のテーマと実生活の乖離。
  8. まだ他にもあるでしょうが、このくらいにしておきましょう。

「読む」というのは「文字の上を目でなぞること」ではありません。「文章から意味を抽出すること」です。それには、様々な力が必要になってくるということです。

その一つに「言葉」の問題があります。私たちは「言葉(名前)」を使って「世界」を認識しています。仮に「その対象物」に言葉(名前)がないと、存在はしていても、認識はできません。例えば、私たちは「梅雨」を認識できます。それは「梅雨」という言葉を知っているからです。でも、「梅雨」に当たる言葉を持たない国の方々には「梅雨」と「普通の雨」の違いは認識できません。

長々と書いてしまいましたが、言いたいことは「語彙」が少ないと「認識できること」も少なくなったり、ぼやけたりするということです。

「このとき、主人公はどんな気持ちだった?」 「うれしい」
志望校に合格できても、うれしい。大好きなケーキを食べられても、うれしい。今日はたくさんゲームができても、うれしい。……。なんでも「うれしい」です。
「うれしさ」という範囲の中に「喜び」も「満足感」も「達成感」もあります。場合によっては「安心感」や「安堵の気持ち」も「うれしさ」でしょう。
「うれしい」という範囲を様々な「言葉」で「分節」して認識できるようにする。そのことで、「様々な気持ち」も理解できるわけです。そのくり返しが「見える世界」を広げていくのです。

またまた長くなってしまいましたが、言いたいのは、「言葉を身につける」ということが「単語帳」のようなもので機械的に暗記することで為されることはないということです。

今回は「気持ち」について例をあげましたが、「気むずかしい」という「性格を表す言葉」ならば、「気むずかしい人の気むずかしい点を具体的に描写した文章」を用意して、そこで「気むずかしい」という言葉を知ってもらうのです。慣用的な言葉だって同じです。「目も当てられない」という言葉なら、「テストで目も当てられない点数をとった主人公を具体的に描写した文章」で……という感じです。

また、『「青」「赤」「白」→「色」を表す言葉』と考えるのも、「具体的な内容」からの意味出しです。この例は簡単ですが、『「みかん」「もも」「空」』は何を表すグループ? とすると意外とできません(これも「色を表す言葉」ですね)。このような問題で『具体』→『意味出し』という「頭の回し方」を鍛えることもします。

3年国語は土台作り

「言葉の学習」は「単語帳を暗記する」のではなく、「具体的な内容」からの「意味出し」で身につけていく。
 
ここまで「読む」ということ中心に説明してきましたが、「書く」ということもこの講座で重要視している点です。ただ、「書く」といっても、好き勝手に書くのではなく、「他人に分かるように説明する」ということを意識しています。これは、受験学年になってよく見られる「わかっているようなのだけれど、伝わらない答え」を書く生徒が多いということを踏まえてのものです。
相手に伝わるような「文の型」というものを意識させながら記述する。そういうタイプの添削課題が出されます。
 
このように私たちは3年の授業で、「国語(というより学習)」の土台作りに取り組んでいます
もちろん「設問演習をこなす」のも大切です。それは否定しません。ただ、「設問演習をガンガンやる時期」はもう少し後でもいいのではないか……3年生からずっと「設問演習」をしているよりは、3年生~5年生前半までの時期は土台作りに取り組んでみたい……と思うのです。そのためには市販の教材、塾用の教材ではなく、オリジナル教材でやる必要があるのです。


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