中学校選びのヒント!
「女子校という選択」に参加して
子供への接し方のアドバイスとして、各先生のお話をまとめてみます。参考になるものがあれば幸いです。
小学生のうちにやってほしいこと
・たくさん本を読むこと。自分が興味あるものを読む。押し付けられたものではだめ。
・様々な体験をしてほしい。(今の子供は体験が少ない。)
・遊ぶことで人とかかわってほしい。
・夢中になれるものを探す。(集中力につながる)
・保護者が「子供が大切にしているもの」を大切にしてほしい。(子供が面白いという本を保護者も読むなど)
・社会的な目、科学的な目を育ててほしい。(ニュースについて保護者が子供と話をする。身近な現象について話をする。)
子供と良い距離感を持つために
・子供は別人格である。(ある意味あきらめることが大切。)
・保護者自身がいきいきする。(楽しそうな親の姿が子供のモデルになる。)
・「子供のことを考えていること」を出さない。出すなら、さりげなく出す。
・「子供のことを考えていること」を一度手放す。
・親の思いは片思いである。
・入学した子供が親にしてもらってうれしかったことの一位は、「ご褒美のお菓子」
・入学した子供が親の発言でいやだったことは、「勉強しなさい」「成績が悪い」
・自分のせいで家族がイライラしていたのがつらかった。
・イライラは大人の中で解消する。(父と母、母と塾など)
女子校に興味を持てない子、女子校が不安な子に
・女子には女子の特徴がある。女子校は女子の特色を考えたプログラムをいろいろと考え、用意している。
・女子校の雰囲気を感じてほしい。
・共学だと、一クラスの女子は15人から20人ほど。女子校だと30人から40人で、いろいろな人がいる。自分と気の合う人が必ずいる。
・女子校には多様性を認める雰囲気がある。
・女子校では、世の中で言われるような「女子力」はつかない。女子校では、生徒は「女子」ではなく、「人間」としてみられる。大工仕事が好きな子は大工仕事をやればよい。虫が好きな子は虫を飼えばよい。他人の目(男?世間?)を気にするのではなく、自分のやりたいことができるのが「女子校」である。
・「男子」という鏡に自分を映してみるのではなく、同性の「女性」という鏡を通してみる。(その鏡は、男子・女子ではなく、「人間」という鏡かもしれない。)
入試情報局:利根川
公文国際学園
制服のない学校である。校則もない。ここに学校の姿勢が表れている。自由と自立。自立するということは、自分で考え、自分の行動に責任を持つこと。他者から命令されてその通りにやることではない。だから、自由がセットになる。行事も生徒主体。体育祭や表現祭(文化祭)はもちろん、修学旅行も生徒が企画する。3泊4日の「日本文化体験」は、生徒の企画書の中から、生徒が選ぶ6コース。土佐和紙コース、広島平和学習コース、和歌山マグロコース、越前和紙コース、安曇野わさびコース、若狭塗箸コースなど。自分たちの興味から企画し、興味あるテーマに参加する。また、自立に必要な寮も持つ。親元から離れることは、自立への大きな一歩である。通学生も希望があれば、寮の体験ができる。自立して卒業する生徒たちは社会でどのような活躍をしてくれるだろうか。
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入試情報局:利根川
湘南白百合学園
子どもたちから、「なぜ、勉強しないといけないの?」と問われたら、何と答えるか。答え方は人によって違うだろうし、模範解答はないのかもしれない。キリスト教の学校には、模範解答の一つがある。「神から与えられた才能は、恵まれない、弱い立場の人の為に使う義務がある。」「FOR OTHERS」というモットー。湘南白百合学園の答えは、「世界に開かれた、愛あるサーヴァント・リーダー」である。誰かのために手を差し伸べる、奉仕の精神を持った、そして社会で求められることに応えることのできる人になれ。子供たちが生きていく社会はいまの社会とは確実に違う。グローバルという言葉で表される、大きな変化。その変化の中でも、社会が人間のまとまりである限り、まわりの人のことを考えられる人は信頼されるだろう。自分が勉強し、「才能」を伸ばし、その「才能」が人々を幸せにする社会を作る。そんな社会を夢見ることが出来たら、勉強する意味ははっきりとする。また、この学校は首都圏の学校には珍しく、自然豊かな環境にある。「リスに会いたいから、この学校に決めました。」という生徒がいるくらい、自然に囲まれた環境。自然は、頭でっかちになりがちな子供の視野を広げてくれるだろう。
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入試情報局:利根川
鎌倉女学院
創立100年を超え、鎌倉にある学校と聞くと、どのようなイメージを持つだろうか。しかも校訓は「真摯沈着」「尚絅」。「古い」「時代遅れ」「伝統に縛られた」というイメージ。しかし、実際の学校は全く違う。一番印象的なのは、「受験英語を超えたコミュニカティブな英語」。帰国子女でない生徒たちが早い段階で、英語で聞いて英語で答える形の授業をできるようになるという。この英語力が国際交流プログラムや「国際・環境学」というプログラムの基礎となる。また、自国の歴史や文化を知り、日本人としてアイデンティティーを確立することを目的に、鎌倉学というプログラムが行われる。古都鎌倉の文化遺産を十二分活用している。地に足をつけ、子どもたちの未来を見つめ、「知的で洗練された女性エリート」を育成している学校である。
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品川女子学院・四科目表現力総合入試・算数一科目入試について
品女は4回の入試を行っている。かつては3回の入試を行い、他校と同じ4科目の入試であった。まず、3回目のみ、入試形態を変えた。名前は「四科目表現力総合入試」で、名前の通りたくさん書かせるものにした。なぜ変えたのか。理由はいくつかある。大きな理由は、SGH(スーパーグローバルハイスクール)になり、課題解決型の授業が増えたこと。入試問題を課題解決型に近づけることで、この授業に興味を持つ生徒を増やしたいという。ただし、入試問題の内容は全く新しいものではなく、今までの品女の入試問題の延長線上で作問された。今までの入試問題で問うていたエッセンスを「四科目表現力総合入試」という形でまとめて出題している。また、4回目の入試として、算数一科目入試を始めた。理由は、増えている理系志望者の核になる生徒に入学してほしいこと。目的がはっきりとし、内容が学校改革と連動している入試改革は成功する。小手先ではない、地に足の着いた改革に学校の真摯な姿勢が感じられる。
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麻布中学
麻布には制服がある。でも、みんな私服で通う。麻布には「生徒会」がない。しかし、生徒の自治活動は盛ん。文化祭実行委員長は、生徒の選挙で選ばれ、その委員長を中心に、関心ある人が自主的に参加して様々な活動をし、文化祭が作られていく。クラブ活動も自主的に行われる。やりたい人が仲間を集め、クラブをつくる。山岳部とワンダーフォーゲルの違いは、・・・わからない。とにかく自分の頭で考えなさい、自分の興味に従って行動しなさい、あなたがあなたの人生の主人公なのですよというメッセージが強く打ち出されている。中3で作家・作品を選んで論じる卒業共同論文、高1でテーマを選び論じる社会科修了論文。カリキュラムから解き放たれた授業が、「教養総合」。学内・学外の講師が様々なテーマの講座を開き、高1と高2の生徒が興味あるものに参加する。勉強はカリキュラムがあり、身につけるべきことが決まっている。でも、本人の興味が一番大切だというメッセージ。学校という組織の様々な仕組みが先にあるのではなく、生徒という存在が中心に据えられ、仕組みが作られている。教育の目的は子供の成長であり、子供は自ら成長する力を持っている。それを信じることがこの学校の芯の部分なのだろう。
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栄光学園
「空が広い」学校。こう言われたら、どんな学校をイメージするだろうか。きっと、自然豊かな環境にある田舎の学校を思い浮かべるのではないだろうか。しかし、これは栄光学園の新校舎のコンセプトである。二階建ての校舎で、生徒がすぐに校庭に出て遊べる。教育は、自分の持っている力を自分で開発することが基本。教師は同行者として、生徒に寄り添う。まさに最近流行りのアクティブラーニングだが、イエズス会の教育は昔からこの形らしい。勉強の楽しさがモチベーション。たとえば、中1の理科の授業のテーマは、「ネバネバしたものを探せ」「変な匂いのものを探せ」。子供たちは、東京ドームの2.4倍ある校地に散って、ひたすら探す。また、実験で水を沸騰させて温度を測る。100度になるはずなのに、98度で止まる。なぜかを考え、仮説を立て、確かめる実験をする。進度を犠牲にしても、子供の興味を優先する。目指す人間の理想像は、「MEN FOR OTHERS, WITH OTHERS自分の力を喜んで人々のために生かすことのできる人間」。正解のない世の中の問題に向かい合い、弱い人の立場に立って問題を解決する。こんな人が世の中を住みやすく、暮らしやすくしてくれるのだろう。この学校の目指すゴールはすぐ近くにはなく、遠くにあるようだ。
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日本大学藤沢中学校
変わった付属校である。中学校は他大学進学を目指し、先取り授業をしていく。高校で希望者は特進クラスへ進学する。ただし、高入生と同じで選抜テストがある。のんびりしているというイメージではない。隣にある大学の学部は、生物資源学部。入口に博物館がある。農場を持っている。その影響で、中学のカリキュラムにも、作物を育てたり、農業機械を動かしてみたり、ハムやソーセージを作ってみたりとほかの学校ではできない体験が盛りだくさんである。体験内容が「食」に関すること。一度は考えさせたいテーマである。高校からの進路を見ると、日大進学と他大学進学が半々。中学校からの生徒の進路も半々。高校では、日本大学に進学すると決め、やるべき学習もこなし、部活動にも力を入れて充実した学園生活を送る生徒もいる。他大学や日大の医学部・獣医学部を目指して、努力を続ける生徒もいる。一様ではない、多様さがこの学校の魅力なのかもしれない。
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洗足学園中学校
「音楽」と「外へのチャレンジ」がこの学校の特色。中学生は一つの楽器を選択して、ゼロから演奏ができるレベルを目指す。高校一年生で「第九」の演奏が目標。音楽大学が同じ敷地にあり、環境は整っている。女子校は安全・安定を大切にする学校が多い。それとは反対に、「外へのチャレンジ」を奨励する。様々なコンクール、○○甲子園などの大会、模擬国連などの国際交流などなど。自分が興味を持ったことに、自ら動き、「自分の足跡」を残すことができるように、学校が応援する。校内の行事も、当然、生徒に任せ、運営させる。様々な障害を自分たちの手で解決させる。彼女たちが生きていく社会は、「与えられた問題を解く」力が要求されているのではなく、「問題を見つけ、解く」力が要求されている。しかも、「ガラスの天井」を破る力も必要である。自分の可能性に挑戦するチャンスが「力」をつける。
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世田谷学園中学校
「天上天下 唯我独尊」が教育理念。仏教校である。坐禅を行う禅堂を持つ。仏教の考えをもとにした「生き方」の授業がある。古くて硬いイメージだが、一方、全員参加のカナダ研修などのグローバル人材の育成に力を入れている面もある。中学2年生から特進クラスをつくり、高校2年生からは文理分けをし、東大・難関国公立・難関私立を目指していく進学校としての仕組みも持つ。現役進学率70%、早慶上理以上の進学が卒業生の50%。進学校として結果を出している。いろいろな面を持つ学校だが、卒業生や保護者のコメントを読むと、坐禅の話がよく出てくる。先生に聞いても意外に坐禅は人気の様子。自分を自分でコントロールできる人を「大人」というなら、生徒たちは、坐禅で大人になっていくのかもしれない。
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浅野中学校
2020年に創立100周年を迎える伝統校。銅像山の緑に囲まれた環境は京浜工業地帯のイメージとはだいぶ違う。校訓は、「九転十起」と「愛と和」。この校訓を見ると、個人的には、「男は強くなければ生きていけない。優しくなければ生きている意味がない。」というフレーズを思い出す。何度失敗しても起き上がる「人間力」「強さ」と他人への「心遣い」「優しさ」をあわせもった男をめざす6年間である。そのためには、勉強も大切だが、行事・部活動を通してしか、身につかないものもある。「人間力」は人間の中で育つ。その一つの成果が、国公立大学・慶応大学・早稲田大学、それぞれ100名を超す合格者。しかし、本当の成果は、卒業生が校訓の目指す力を身につけ、それぞれの場所で社会を支える「男」となることなのだろう。
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東京都市大等々力中学校
伝統ある女子校が生まれ変わったのが、2010年。共学化した一期生がやっと卒業したばかり。今までの学校のイメージとは違う、ニューウエーブの学校で、「面倒見」がとても良い。毎日、朝テストがあり、結果が帰るまでに処理されて返却される。その時、その子に応じた課題が出る。夜八時まで自習でき、自習室にはチューターがいて質問できる。家に勉強を持ち込まないようにもできる。専用ノートを持たせ、予定や時間を自己管理させる。ノブレス・オブリージュ(高潔な人が果たすべき責任と義務)を目指して、改革第二ステージに進んでいる。きっとこれからも様々な変化をしていくのだろう、生徒たちのために。
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横浜共立学園中学校
印象は「まじめ」な学校である。モットーは、「時間を守る」「ものを大切にする」「あいさつをする」で、普通といえば普通の目標である。進路指導で一番大切なものは何ですかと聞いてみた。答えは、「授業を大切にすることです」だった。普通であるが、授業に自信があれば、その先生がロールモデルとなり、その先生の言葉が将来を考える道しるべになる。何か新しいことをやることがよいという風潮の中で、愚直に教育の本道を行く学校なのかもしれない。「心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい、また、隣人を自分のように愛しなさい」という言葉に表されるキリスト教の価値観は創立以来の根幹となっている。伝統と本質を大切にする学校である。
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神奈川大学附属中学校
最寄り駅についたとき、お母さまから声をかけられた。「この前来た時、迷ってしまったのでついて行ってもよいですか。」私も方向音痴なので、共感する。10分でつくはずの学校に一時間かけていったこともある。道すがらの話の内容は子供のこと。坂道がきつい。歩くこと、15分、学校の門に到着。「緑がきれい。」広大なキャンパスに、自然豊かな学校である。生徒がのびのびしている理由の一つがこの環境である。ただ、のびのびしているだけではなく、高い進学実績も目指しており、東大をはじめとする国公立の合格者が増えている。バランスが絶妙なのだろう。建学の精神は、質実剛健・積極進取・中正堅実で、「人」をつくることが教育の目標となっている。「21世紀を生きる人間力」をつけるため、「バランスよく」様々な改革を進めている。地に足をつけ、着実に前へ進んでいく学校である。
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