啓進塾での特別授業 麻布中学校と栄光学園中学校の先生に授業をしていただきました!

栄光学園と麻布中学校の「授業」を見学して

小学生向けの短時間の「授業」を見学した。栄光学園のテーマは、展開図。自分で展開図を考え、実際に工作用紙とはさみで切って、正しいかどうか、試してみる。基本は頭の中で確かめてみて、切って検証する手順。しかし、よく話を聞いていない子がいきなり切り始める。そして、失敗する。「セロハンテープありませんか?」私だったら、話を聞いていないことを指摘し、注意する。しかし、栄光の先生はそんなことは気にしない。セロテープで貼って完成したものも評価する。「こっちの形から気づくなんてすごい。」とにかく見つけたことを評価していく。授業が終わってからも子供たちはどんどん「作品」を持ってくる。麻布のテーマは、ヨーロッパと奴隷貿易。子供たちがよく知らない内容。城から海に向かって並べられている大砲の写真。「なぜ、海に向かって並べられているのかな。考えてみて。」子供たちは、未知の事がらを知っている知識を総動員して考える。「逃げた奴隷に向かって撃つ。」とある生徒の発言。先生は否定しないで拾う。「大砲を撃たれたら、怖くて逃げるのをやめるかもしれないね。」黒板に意見を書く。別の子が「敵に向かって撃つ。」「そうかもしれないね。じゃあ、その敵は何しに来たのかな。」話は、帝国主義時代の植民地の争奪戦、そして、人権の話へと広がる。最後に、「この写真に写っている人は麻布の生徒です。このガーナの城を訪問した時の写真です。」生徒は驚く。きっと、自分が麻布生となり、その場に立つ様子を思い浮かべた子もいるのだろう。自ら学ぶ、自立した子が育っていく秘密を両校の授業に見た気がした。

入試情報局:利根川